アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授

米インフレの見通しを述べている、実務経験が長くインド中央銀行総裁だったころにもインフレに対峙していた経験がある。

 

******2022年を代表する言葉は『インフレ』になるだろう(ダモダラン教授)
良いニュースであれ悪いニュースであれ、市場のすべてのことはインフレが牽引することになる。

 

ダモダラン教授はインフレを実際に目の当たりにしてきた経験から、これまでもインフレを「瓶の中の魔物」と形容し、野に放ってはいけないと警告してきた。
インフレは貯蓄を破壊し、経済・社会の断層を暴露する、むごい性質を持つという。

 

インフレが制御不能になれば、それを抑え込むために必要な武器はFRBにほとんど残っていない。

 

インフレが牽引し、FRBはそれについていくことになるだろう。・・・
ワースト・シナリオではインフレが急激に上昇することになる。・・・
金利は跳ね上がる。
そうなれば、すべての金融資産が危機に瀕し、避難できるところはほとんどない。

 

--------------------アメリカの実質金利が恐ろしくマイナスが原因なのだ

ブルームバーグによれば

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薄い緑の部分はBEIで「ブレーク・イーブ・インフレ率=期待インフレ率」です。

経済学ではBEIはプラスで推移していれば、市場は物価上昇を予想していますし、マイナスで推移していれば市場は物価が低下していくと予想します。

 

何時ものミシガン大学期待インフレ率をUPしているのはこのような事からなのです。

改めてチャートを見ると2020/3/19日に実質10年金利がピークとなってます、この時のBEI(期待インフレ率)は-0.5の値を示しています。

この時のミシガン大学期待インフレ率は3.1%でした。

実質両者の数値には3.6%の差があるのです、これから直近のミシガン大学期待インフレ率を見ると11月25日は4.9%でしたから4.9-3.6=1.3%となり、インフレ率は

ブルームバーグが示しているピークより数段高いインフレ率となっているのです。

 

しかも直近でもFRBは利上げを行っていないのだから、アメリカの実質金利は恐ろしく低いところに留まっていると言える。

 

******サマーズ元財務長官が述べている

FRBは来年4回の利上げを示唆すべき」

www.financialpointer.com

つまり4回×0.25%=1%上げろと言っているのだ、物価上昇率を勘案した実質金利が-1.3%なので5回の利上げでほぼイーブンとなる

(実効金利-インフレ率の値で0-1.3%=-1.3%)

例えばお金を借りたとすると、毎年1.3%価値が減価して行くという事になる。

サマーズ元財務長官の利上げ回数でも金利は経済に優しいといえるのだ。

 

******日経電子版の記事に

www.nikkei.com

2021年7月27日の記事だが、

アメリカの実質金利がマイナス1.12%となったと記事にしている。

データの出所は同じなので、時間経過で差が出ただけの事。

アメリカの実質金利は現在は最低を記録し続けているのだ、インフレになるのは誰が見ても同じ意見だと思っているのだが。

 

FRBは頑なにインフレは一過性だとして神に祈りながらインフレが低下するのを待ち望んでいたのだろう。

 

既にアメリカ経済にお金をジャブジャブに供給しているのだから人々は年末商戦で高くても買いが減ることはほとんどないのだ。

 

インフレが収まると期待している方が間違っている。

 

******インフレを収めるには経済にショックを与えるのが一番だとUPした

それは過去にアメリカが経験している最悪のインフレを退治した方法なのだ、既にUPしているが。

もう一つあるのだ、投資家がUPUPすればそれで解決できる。

リーマンショック同様な状態になることなんだ、金融危機である。

これで世界のお金の流れが止まる、FRBは利上げせずともインフレは瞬時に止まるのだ、余ったお金は当時と同じなら貯蓄されてジャブジャブのお金の総量が減る。

 

お金の総量がが減るのだから、インフレは止まる。

めでたし、めでたし。

アメリカ人の多くが震撼することになろう、しかし個人が現物で投資しているなら10年も待たずに元に戻る。

レパレッジを掛けていたなら破産状態だろう、これもリーマンシヨックと同じ道。

 

さて、相場の神はどちらを選択するのだろうか。

そろそろ有ると期待しているが管理人の期待はカラ振りが多くてね、何度も期待してワクワクしては落胆を繰り返している、これが何とも楽しいのだ。