アメリカの銀行の含み損

説明から

KBW地方銀行株指数」は、創始者3名の姓を名称に冠した米調査会社Keefe,Bruyette&Woods(KBW)が算出・公表するアメリカの地方銀行で、日本の信用金庫・信用組合にあたる貯蓄組合など中小金融機関の株価動向を示す指数

 

利上げの影響を直に受けやすい銀行です、それ故ピボットとなれば買われるのは理解できるが、オフィス市場の影響を無視している。

ブルムバーグによれば

ロサンゼルス市のセンチュリーシティービバリーヒルズの近くに立つオフィスビルが、5年前の価格を52%ほど下回る水準で売却されまたとのこと。

同じく同市で、オフィスタワーのAon(エーオン)センターも直近取引となる2014年を45%ほど下回る価格で売却されたようだ。

これ以上詳しくは分からない、銀行が売却したのかオーナーが直に売却したのか銀行に与える影響までは精査されていないのだ。

 

******2023年の年末商戦の小売売上高は

対2022年比で3%増だと集計があった、まだ返品期限までは時間がある。

支払えないと分かっていても商品を買いプレゼントする、その後は返品の山となる。

 

******アメリカ経済は後戻り出来ない構造なのかも

「消費と負債」で成り立つ経済構造は、お金が無いなら「後払いでよい」・商品の選択に迷ったら「複数買って返品OK」・クレジットの滞納は60日過ぎたら回収業者へ債務売却

それで経済を回しているのだが、過去全てFedが救済してくれたのだ。

利下げ余地があったからのことで、今回は利上げからの経済破綻となる(まだ破綻してないがね)

FedQEを実施して救済など出来ないだろう、ドル暴落が見えるからなんだが市場は利下げに酔いしれている、パウエル議長は「言ってはならない夢」を市場に見せたのだ。

つまり、あり得ない未来をね。

 

その銀行の含み損について

英語だと「Banks' unrealized losses」これで検索すると

銀行の含み損は第3四半期に拡大とある。

FDIC連邦預金保険公社」は水曜日、国内銀行の状況に関する第3四半期の最新情報を発表し、銀行の債券備蓄における理論上の損失が増大していることを明らかにした。 なぜ重要なのか:このような潜在的な損失は、今年初めに数週間にわたる準金融パニックを引き起こしたシリコンバレー銀行の破綻の中心にあった。 全体像: 銀行システムは健全で、高く安定した利益を上げており、ほとんどの種類の未払い融資のパフォーマンスで堅実なスコアを獲得しています。 しかし、しかし、しかし、債券の価値を押し下げる金利の急騰により、第 3 四半期まで (主に理論上の) 損失が発生し続けました。 FDICの保険を受けた銀行は、第3四半期に6,840億ドルの未実現損失(投資ポートフォリオ内の債券に支払った価格とそれらの証券の現在の市場価格の差)を報告した。

 

賢く行動しましょう: 銀行は債券を売却しない限り、実際にバランスシート上の損失を認識する必要はありません。 これは基本的に、シリコンバレー銀行がこの春、資金調達が必要になったときにやらざるを得なかったことであり、それが破綻につながった。 現状:FRBはSVBの破綻後、含み損がさらなる銀行破綻につながるリスクを大幅に減らすため、新たなプログラムを開始した。

 

******銀行の含み損は

FDIC連邦預金保険公社」へ担保証券(多くがアメリカ国債)を差し出して、お金を借りています。

その担保証券は買ったときから比較して「含み損」となっているのをチャートが示しています。

 

銀行は資産が含み損で、更に資金を引き出されていていますが銀行は資産を現金に換えると含み損が表に出て「大赤字を計上しなくてはなりません」

それ故にBank Term Funding Program「資金調達プログラム」から資金を借りています。

 

資金調達プログラムが、銀行の生業を支えているのです。

 

さて、この状態でBKX銀行株指数を買いあがるなど、正気の沙汰とは思えない。

この指数の閾値は100です、今すぐにでも破綻しそうな膨大な含み損を持つ銀行株を買い漁るアメリカの投資家の「狂気」はなんなんだ!

1月3日のブログで嘆いたのは、こんな理由からでした。