LNG(液化天然ガス)国際入札に応募なし

パキスタンが実施した10億ドルのLNG入札に応募はゼロという結果になった。

LNGタンカーは限られている、建造は最短でも2年は必要で時流には間に合わない

熱量比で換算したタンカー渡しのLNG価格は原油比で230ドル/バレルとなる。

通常取引(PL渡し)では原油の70%前後の価格となる。

ヘンリーハブのPL渡し価格のチャートは

比較的落ち着いてきている。

既にLNGタンカーに付いてはUPしてあるが、その時にはロシアがPLのバルブを絞ってない時期だったのだ。

その後に原油価格は高騰して、ロシア産原油がインド・中国向けと活況になりロシアの財布に問題無しとなれば欧州への戦略に天然ガスを絞るのは当たり前だろう。

それら一連の被害を受けるのは発展途上国である。

 

******LNGタンカー傭船料高騰から

発展途上国は欧州各国との競争に負けるのは当たり前の事で発電用LNGは絶対量が足りていない。

一時的停電や夜間停電を実施しているが、先々LNG船を傭船できる可能性はますます低くなる、発展途上国傭船契約をしているLNGタンカー各社は違約金を支払っても欧州向けに傭船した方が利益が大きいからなんだ。

 

バキスタン政府のムサディク・マリク石油相は

「ロ・ウ戦争により欧州は発展途上向けのLNGを札束で買い付けている」

このようなニュアンスのコメントをした。

 

欧州の夏は短い、普通の年なら天然ガスの貯蔵を満タンの80%以上にする約束を欧州各国が取り交わしている、足りなくなった国へ回すようにするためなんだ。

それが現在40%からさほど増加していないようなんだ、9月からの暖房需要には間に合うとは思えない。

欧州各国が札束で買い付ける意味は理解できるが、相変わらず自分勝手な対策なのだ。

 

このまま、冬になってもロシア産天然ガスの供給が復活するとは思えない。

意地を通り越して意固地になった欧州各国である、次は自国民がどう判断するかである

既に、戦争疲れが見え始めているような欧州からの報道です。

寒さに耐えてもウクライナを応援し続けるのだろうか、意地と耐乏生活の間で気持ちは揺れ動くのだろうと解釈している。

 

実際は寒くならないと、分からないだろう。

 

******日経平均ドル換算チャート

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