日銀総裁が常日頃からコメントしている物価について、最新のコメントのPDFがあります。
https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2021/kk211220a.pdf
一部抜粋すると
「日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的
に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
を継続します」
******日本の消費者物価指数は
ついにプラスに作用し始め+0.6%となったのだ。
菅政の携帯電話料金値下げ政策が有った為に+0.6%で収まったのだが、この政策が無ければ+2.0%は確実に超えていただろうと予測されている。
原油価格上昇+円安による輸入品の値上がり+国際的にLNG(液化天然ガス)の値上がりによる電気代の上昇が作用すると2022年は持続的に+2.0%の物価上昇が続くのではないかと予想も出来る。
******日銀総裁の「安定的に持続する」というコメントから
暫くの様子見は有るのだろうが、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の維持は
何処で途切れるのか現実問題となる可能性が出て来た。
実際には、緩和を中止したとしても日銀が供給して来た資金を巻き戻しするのでは無い
市場にある資金は当分の間はそのままだろう。
しかし、円は動く。
金利ゼロで資金を調達し、ドルに換えてアメリカ国債を買ってリスクゼロで利益を得て来たシナリオがポシャルのだ。
普通は為替トレードにはリスクプレミアムが付く(為替変動に備えてリスクヘッジする為だが)ドル円に関しては誰もリスクヘッジなどしない。
永遠に円安が続くと見ているからなのだ、円をドルに換えてアメリカ国債を買う(それも長期の10年を買ってもヘッジしない)満期後にドルを円に変えて、日本にレパトリしても為替変動分の利益が加算されるのだ。
こんな美味しい話は無い、日銀が利益を保証しているようなものなんだ。
想定が少し変化して円高になったとしても、時間経過で円安となるのだから(それも確実に)慌てる必要もない。
この干天慈雨のような利益のシナリオ(ビジネスモデル)が無くなると日本の地方銀行は立ち行かなくなる。
そもそも自行で貸出先を見つけることなど不可能に近い(日本国内には資金需要が無い)、今は日銀が保証した「新型コロナ対策資金繰り支援特別プログラム」が地方銀行のもう一つの収益となっているのだが、これも2022年9月には終了する予定なんだ。
地方銀行の収益の柱が細くなるのが見え始める、今まではゴルディルックス状態だった
日銀が日本から金利を取り上げても、地方銀行は支えられていた(国民は利息を失ったが)という図式だった。
******日銀の金融政策には急変は無い
しかし、円キャリートレードをしている面々はドル円の少しの変化でも痛手を負う
それも忘れるほどほど長きに渡って積み上げられてきた円の海外逃避の総額だが、凡そで数百兆円(円の対外純資産は400兆円ほど)
内訳は(直接投資+証券投資)証券投資分で40%ほどのようだ(詳しい資料が見つからない)160兆円ほどになる。
その他に外資が担保により円を借りている分はどれほどあるだろうか?
******日銀が続けて来た円安プログラムは
終焉に向かうのだろうか、考えるのは早すぎるかもしれないが今までとは別の金融の世界が始まるタイミングがすぐそこまで来ているのかもしれない。
世界の中央銀行の中で日銀ほどお優しい中央銀行は無い、護送船団方式を実行して傘下の全ての銀行を守る意思を示している中央銀行は日銀以外には皆無なんだ。
それ故に、マイナス金利を企てたが末端の国民には雀の涙の金利を残してある。
世界では銀行と付き合うにはお金を払わなければならない、口座維持手数料である
アメリカでは5~15ドル/月ほどの手数料がかかります。
日本では無料です。
優しい日銀が動く日が来る前に円キャリートレードのヒジネスモデルが巻き戻される
ドル円の月足チャートを眺めていると
コロナショックが襲ってドルの大量供給があり、日銀がそれに続いて金融を更に緩和したも円安方向がごゆっくりなんだ。
下々の雀は120円/ドルは楽に達成するだろうと踏んだ、さらにFRBがテーパリングの早期終了まで発表した。
何故かドル円が重い、
******勘繰ればいろいろある
@担保の中国企業の社債が担保価値ゼロとなった、、、とも言える(分からないが)
@ヘッジファンドが実行しているアメリカ国債の再担保によるレパレッジトレードが焦げ付きそうだ、とも言える
@ヘッジファンドが沈黙を守っているのはなんだ!
騒げば金融危機となると恐れているのではないだろうか?
******日銀のかじ取りで円キャリートレドが吹っ飛ぶ
そんな事はしないだろうが(過去にも無いから)世界にあるジャブジャブなお金は
「良くない方法で」+「良くない投資先で」、溶けて無くなるのが運命なんだ。
それが人間の欲という性がもたらした結果であることは歴史は既に証明している。
オランダのチューリップバブルが発端である(チューリップの球根1個=1軒家)
今は、使えもしない仮想通貨なるものが持てはやされている。
2021年年末には1000万円=1BTCとか騒がれていた。
そもそも、仮想通貨から始まり暗号資産だとか、名を変えて店に出ているギォバ譲見たいだと思うのだ(着飾れば美しい)
朝、隣の人は誰だっけ!
となりそうな仮想通貨の姿だとおもうのだが。
結果は2022年には出るかも、、。