スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは、傘下のファンドによるソフトバンクグループ(SBG)が支援する企業への4億4000万ドル(約500億円)の投資を巡り、SBGが画策した取引によって無価値になったと主張、SBGに対する文書引き渡し命令を出すよう米裁判所に求めている。
クレディスイスの株価です
クレディスイスが二つの大損害を出した中の1つ英国のグリーンシルキャピタルの破綻に関してSBGへの損害賠償を進めている。
もう一つはアルケゴスの破綻での損失だ。
クレディスイスはグリーンシルキャピタルの破綻に関してSBGが出資した「カテラ」
(既に倒産している米国の新興建設会社カテラだ)
クレディスイス傘下のファンドがカテラに対するグリーンシルの融資を裏付けとする証券を4億4000万ドル分保有していた。
SBGは「取引を画策」し、同ファンドは何も知らされないまま得られる可能性のあった資金を得られなくなったとある。
この損失の全てをSBGに請求するということなんだ。
******カテラの破綻原因は簡単だった
想定していたビジネスモデルがアメリカの建設業界の慣習とミスマッチしていただけだった。
グリーンシルとクレディスイスは約束をしていたようだ(SBGの出資金はクレディスイスの傘下のファンドに支払われると)
実際はグリーンシルは資金をドイツにある自社の銀行部門に投じた、クレディスイスには一文も支払われていない。
この約束を露わにするためにSBGに対する文書引き渡し命令を出すよう米裁判所に求めている。
クレディスイスはイギリスでSBGに対しての裁判を起こす準備をしているためにアメリカの裁判所に文書引き渡し命令を出すように求めたということなんだ。
******ハッキリしていることは
「カテラ」のビジネスモデルは机上の空論だったという結末だが、世界的な金余りの結果として、投資先の信用度だけで融資を決定するというお粗末さがこのように資金を溶かすという見本的事例だという事をブログで伝えたいのです。
「良くない投資方法で」+「良くない投資先で」、溶けて無くなるのが運命なんだ。
これが世界で続けて起こり、金融緩和した資金が巻き戻されるタイミングで隠し続けてきた金融不安が一気に表に出て来る。
世界の中央銀行が金融緩和を続けている間は、悪い事例は表面化しない。
何処かで利益を出して補てんできるかもしれないが、今回のイギリス中央銀行の政策金利の上げは、世界的金余りが解消されていく序曲かもしれません。
まだまだ判断できるだけの要素がたりませんが、シナリオの幾つかを準備していく必要はあります。
******2008年のリーマンショックの
2年前に、突然ヨーロッパのファンドが二つ閉鎖されました、これがリーマンシヨックの序曲だった事実は思い出されます。