世界の先進国は金融立国です

1990年代より各国は政府債務を増加させてGDPを嵩上げしてきました。

国民の債務は証券化し利息を付けて販売する事により、事業化したのです。

投資銀行はそれら(債務)の販売で手数料を稼ぎ、利益を投資家にもたらしました。

保有及び証券化された消費者信用の合計チャートです


******これらの債務の原資はストック(ほぼ不動産)です

一部、株式もありますが日本と違い現物投資は少なくレバレッジを掛けた投資ですので担保としては価値はありません、という事で不動産が債務の保証です。

そのアメリカの住宅価格指数は

1990年から比べて4倍になってます。

債務を証券化して、販売しそれらが値上がりすることにより投資家が利益を受け更に新たな債務を買うという、循環取引が金融立国の姿なのです。

報道などでは技術やイノベーションがもてはやされていますが、不動産を担保にした債務の循環取引の総量からすれば微々たる金額でしかありません。

GAFA企業が1兆ドル企業となってもほんの数社あるだけで、全米の不動産総量にレバレッジを掛けた金額には遠く及ばないのです。

 

これらの金融マジックが可能となったのは「低金利」+「金融緩和」のおかげです、

アメリカはそれにプラスしてドルの印刷(通貨発行権)で膨大な利益を得たのです。

 

何時までも続く金融マジックでは無い事は理解出来るでしょう、インフレにより「高金利」+「金融引き締め」となった今、過去の栄光は返ってはこないでしょう。

 

******コロナショックによりドル不足となり

ドル独歩高が続きましたが、それも終わりとなり次はドルが下落する事になります。

アメリカのマネーサプライM1M2のチャートは

単純に考えてこの規模のマネーが必要だろうか、増加した分はリスク資産へと流れて行くのが普通です(欲だけ)、そしてリセッションとなり金融危機へと繋がるのがシナリオです。

 

******話を中国経済へ変えて

中国経済レバレッジ経済だと勝手に決めつけてUPしています、どれほどのレバレッジとなっていたかは誰も分からないが、不動産を担保にしたレバレッジ経済だった認識は間違いがなかった。

今、そのレバレッジが逆回転を始めている。

中国中央政府は不動産救済の為に資金を投入すると発表して20兆元を投入したが焼石に水でした、リーマンショック当時は4兆元の投資で世界経済を救済出来たのだが(4兆元をレバレッジを掛けて)

現在的には其の5倍の資金量を投入しても焼石に水状態となると中国経済レバレッジの規模は10倍以上ではと危惧している。

とても、投入できる金額ではない仮に投入したとすると人民元は崩壊しハイパーインフレとなるだろう。

 

レバレッジを掛けた経済や金融はピークを過ぎると逆回転を始めます(ミンスキーモーメント)、過去なら資金量も少なくミンスキーモーメントを過ぎたあとは急減速したのですが、金融工学が発展し資金量は過去と比べられないほどの天文学的数字となりました。

40年に渡る緩和経済は頂点を過ぎたはずです、有り余るお金は暗号資産という無価値商品に高値の価格を付けて崩壊しました。

未だに過去の栄光を夢見ている投資家も存在してますが、市場が崩壊したという実感は大手の交換業者FTXの破産で納得でしょう。

過去の日本のバブル崩壊山一証券の倒産によって時代の終焉が証明されました、それから長い年月が過ぎて証券会社が復活したのです。

1997年の事です、2000年には協栄生命保険、千代田生命が倒産しています。

 

世界の金融立国は金融にレバレッジを掛けて繁栄を続けて行くというビジネスモデルが崩壊したのではないだろうか、こんな疑問を抱いてます。

取りあえずの目先は逆回転を始めた経済の逆回転を止められるのか?

株式市場的にはマージンデッドの下落が止まるのか?

インフレが止まり、その後の推移つまり「物価の高位安定」で経済を保てるのか?

リセッションからデフレまで進むのか?

 

シナリオは幾つも用意されています、FRBやECBや日銀も先々を過去の経済学では予測しきれてないでしょう、経済規模が違い過ぎるのですからその火種を撒いたのは中央銀行自身なのです。

40年に渡る金融緩和は過去とは比べられないパワーを持ってます、崩壊したらそのパワーは解き放され投資家は暴落に震撼するでしょう。

金融危機とならずに世界経済の難題を止める術は管理人の及ぶ所では無いです。

 

言えることはITバブル崩壊(80%の暴落)大恐慌は(89%の暴落)からアメリカ経済が復活したのはFRBがお金を出したからです、今回予想されているショックは過去の救済方法は通用しない。

一部には市場に残る膨大な資金が現金化されて投資家の手元にある、、という理論で株価は崩壊では無くソフトランディングすると言う。

 

これもシナリオの一部です、近未来の経済がどうなるのか神以外には分からない。。

これが真実でしょう。