SMCCFとは
2020/2/23 FRBが金融市場の機能維持の第二弾としてNY連銀が特別目的会社(SPV)を設立して、ここに貸し出しを行い市場から「社債」と「社債ETF」の購入をう。
対象社債はBBB-以上で米国法人の残存期間5年以内の債券、2019/3/22から1年間の債券の10%、ETF残高の20%を上限として2020/9末て新規買い入れを停止する。
******上記説明のSMCCFを通じて購入したETFについて
FRBは売却方針を明らかにした、2021年内の解消を目指す。
今回はSMCCFの売却だが、その他に
PMCCFやTALFを設立して2020/9月まで資産購入をしていた、これらについても条件が整い次第売却の方向だろう。
「物価上昇は増税と同じだ」としてインフレを一段と加速させかねない金融緩和策を早期に見直すよう、連邦準備制度理事会(FRB)に対する政治的な圧力が強まってきた。
14日の下院公聴会でパウエルFRB議長は共和党のトゥーミー議員から批判された
パウエル議長は「経済全体で見れば、物価上昇圧力は高まっていない」と反論したが、景気回復で賃金が上昇し、インフレ高進に拍車が掛かる可能性は否定できない。FRBは早期の金融引き締めを迫られるという観測が付きまといそうだ。
******過去のインフレは
住宅の価格高騰からインフレが一気に進んだ経緯です、住宅産業は川上から川下までの関連企業が多く米経済にとってシェアの高い産業構造となっています。
アメリカは移民の数が増加して先進国で唯一人口増の国ですので、慢性的に住宅不足となっています。
それ故に住宅価格高騰はインフレに直接に結び付く要因は否定できません、FRB議長でもこの質問を覆す返答は無理でしょう。
野党共和党が示した経済指標を否定出来る術もないために、
この先7月、8月の経済指標がインフレ鎮静化の方向が出てこない限りFRBの金融政策は方向を変えなくてはならないでしょう。
******FRBの金融政策に変化無しと見ていた
株式市場は動揺しています、「ダウ、NAS、S&P」ともに市場高値を取った後ですからここがピークと判断している大手機関投資家もいます。
市場に供給されているFRBからの資金が細るだけでなく、「マージン・デッド」も過去最高まで積み上がっています。
ウイルシャー5000株価指数のマージン・デッドのチャートは
ウイルシャー5000とは
アメリカ合衆国に本店を置く全企業の株式を対象としており、米国株式市場を最も広範にカバーしている株価指数です。
赤線がマージン・デッド(証拠金債務)です、この証拠金債務(証拠金取引)が株価を支えているということです。
日本人投資家の多くが現物株投資をリスク管理として投資しているのだが、アメリカの個人投資家の多くはデリバティブ(金融派生商品)投資がほとんどです。
日本人的感覚かに言うと「信用取引+先物取引+オプション取引」が投資の主体ということですね。
レパレッジを10倍ほど掛けてますから一度相場が崩れると、暴落するのです。
S&P500のマージン・デッドのチャートは
******このチャートでアメリカ株の上昇要因がマージン・デッドだと確認できます
これほどまでに証拠金取引を使って株を買う理由はFRBが「金を出す」と豪語しているからにほかなりません。
日銀もETF買いを中止してから日経平均は不安定になりました。
FRBは議会の抵抗もありテーパリングを始める方向でしょうし、初めに上記の
SMCCFの解消から始めたのです、順次PMCCF、TALFを解消していくのでしょうね。
これらの特別目的会社の保有する資産を売却したのちにFRB本体のテーパリンクに移行すると見てます。
当然、市場から資金が絞られますので一般投資家や機関投資家はレパレッジの縮小をしなければなりません。
アメリカ株市場は、ゆっくりなら数年に渡って下落トレンドとなるのでしょう。
サドンデスも無いとは言い切れませんから、普段はあり得ない価格(S安など)での指値はしておこうと思います(日々の努力です)
フラッシュクラッシュ狙いですね。
「段階的かつ秩序立って」売却する方針を明らかにした。年内のポートフォリオ解消を目指す。