CPIが出たのでスティキーな部分は

ヨコヨコとなりました、ヨコヨコが安心なのではないです。

Sticky-Price CPI(スティキープライス消費者物価指数)とも呼ばれるアトランタ連銀が算出し公表しているCPIの構成要素を価格頻度に基づき価格変動が遅い(緩やかとか粘着性が高いとか)部分の指数です。

 

スティキーなインフレに入るものは「家賃」です、家賃の集計は説明が長くなるので端折って「持ち家を金利高で買えない人」もしくは金利低下を待っている人が短期で借りている分も含みます。

それだけでは無いのですが単品で説明も分かりにくいのでチャートにすると

帰属家賃に近いカーブだと理解できます、つまり家賃部分が大半を占めている。

 

CPIとStickyCPIの合成チャートは

これを見ると「インフレは過去の物」という報道には呆れかえります。

それだけ、メディアが毒されているのと多くの投資家が毒されているのでしょう。

 

両者の先行性と遅行性は数年の開きがあります、つまりアメリカのインフレを構成する大きな部分(時間給・家賃)は経済が減速して初めて下落するのです。

 

経済が減速する前にCPIは下落するのは説明しました、経済が減速して失業率が減速し時間給が下落し金利が減少してから住宅ローンを使い住宅を建てます、そして借家を借りる人が減り家賃が下がります。

とても、長い道のりとなります。

その間に、何度もインフレが再燃する事態が起こるのでFRBは辛抱強く高金利を維持し続ける必要があります。

 

******インフレ退治はデフレより簡単だとか

日本では長らく囁かれているのですが、日本ではその通りでしょう金融緩和しても踊らない国民なのですからね。。

アメリカは真逆です、デフレとなり金融緩和すれば国民は盛大にお金を使いますのでデフレは金融緩和すれば終わらせる事が出来ます。

 

しかし、インフレ特に今回のインフレは緩和過大となったインフレですから市場から資金が溶けて無くなるまで続きます(投資資金の部分)

ベストな政策は緩和した資金を絞ればインフレは簡単に終わるでしょう、住宅ローン金利FRBのいう所の2%+αほどに下がれば住宅建設は戻りますしね。

しかし、アメリカ経済は大不況となるのは見えてますのでFRBは経済がソフトランディングするべく金融政策を柔軟に続けていくのです。

 

パウエル議長の発言の中にもあった語彙です、市場は無視するか忘れているのでしょう、さらに辛抱強く続けるとも言ってましたがね。

 

メディアの記事は「書き手のスキルは分かりません」、とかく日本人はメディアの記事を簡単に信用しますが、注意が必要です。

文学作品などは少し読むだけで書き手を理解できますが経済記事はまったく別物です。

様々な数字が関連を持って現れてきます、集計タイミングにも差があるでしょうし季節要因にも差があります。

それわを全て頭で埋めて予想するのです、さらに「政府+中央銀行」が思惑を持って情報を指導するのです。

投資家は降り注ぐリスクを管理しながら大金を投入するのです、十分な調査が必要でしょう。