アメリカの商業用不動産取引が再開され、価格下落が顕著になった。
アメリカの商業用不動産市場の価格構成は20兆ドル(3000兆円)規模と言われている、そしてこの価格の10%~20%が消えてなくなるのは必然だろう。
つまり、300兆円~600兆円が露と消える。
アメリカの商業用不動産の適正価格が何処にあるか、誰も知るところではない。
そして、淘汰が始まったのだがコロナ・ショックが引き金なのは間違いないが
更にアメリカ現政権の移民政策が追い打ちをかけているダウンタウンの治安悪化が顕著となり「人の流れがに変化」が生まれた。
特に顕著なのはサンフランシスコであろう、それ故に40%近い下落率となっている。
アメリカの経済メディアは「まだ治安悪化」という理由を商業用不動産の価格下落の理由として正当化していない。
大統領選への忖度であろう、アメリカの経済メディアの大本営は「WSJ」です、ここが記事にして初めて各紙が記事するお許しがでる事になる。
2023年12月LAの一等地にあるオフィス・タワー「Aonセンター」が1億4780万ドルで売却された。このビルの前回の取引額から45%ほど低い(10年前に発生した取引)
このビルのオーナーはSFを本拠とする不動産投資会社ショーレンスタインです。
******上記のチャートに表れていないNYでは
アメリカ最大規模の再開発が進められている、ハドソンヤード・プロジェクトです。
この大規模プロジェクトの全体像は
コロナ以前から進められているプロジェクトです、商業用不動産の不調にもかかわらず
ニューヨークのマンハッタンでは超高層ビルの再開発など建設活動があちこちで行われ、大型トラックやショベルカーが都心部を行き交うのも日常風景となっている。
2022年10月には三井不動産が開発を手掛けた50ハドソンヤードが完成した。
地上58階のオフィスビルです、現時点での入居率などは確認できませんでした。
しかし、完成後の一年たった時点でNYの空室率が急上昇しているのは事実です。
フェイスブックとインスタグラムを傘下に持つメタは今2023年ニューヨーク州の従業員の4分の1に当たる約1700人を解雇し、マンハッタンで拡大してきた220万平方フィートを超えるオフィススペースのかなりの部分を減らそうとしている。
同社は、ハドソン・ヤードの25万平方フィートとパーク・アベニュー・サウスの20万平方フィートのリース契約を更新しないことを決定している。
******アメリカのオフィスビルのビジネスモデルが崩壊しつつある
それまでのオフイスの需要を担っていた「テック企業」が衰退を始めたのです。
時代の流れは「テック企業」から「AI企業」へと変わる、それまではアルファベット・アッフル・マイクロソフト・アマゾン・メタ・NVIDIA・テスラであった。
株価からすればアップルとテスラは陥落している。
これらのビックテック企業はオフィスを必要としていない、開発拠点が大都市にある必要はないのです。
それまでは、人材を集める為に大都市に進出していたビックテックだったが社員の志向が変化したのです。
これもオフィスビルの需要の変化へと結びついた。この変化の最終形態は分からない更に変化していくだろうとは予測できるのだが。
仮想空間を作り出そうとしているメタがNYのオフィスに居続ける必要があるのだろうか、大きな疑問となろう。
激変する社会は、様々な途中形態を示しながら変化を続けて行くだろう。
この変化を予想するのはなまじでは不可能だろう、過去では「ビジネスを作る」という容もあったが、この変化には通用するのだろうか。
現時点ではそれさえも変わらない。