LNGスポット価格推移

アメリカヘンリーハブのスポット価格のデータです。

突然出て来たアゼルバイジャン民主共和国

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地理的に何処にある?

カスピ海の西側の国で世界的にも有名なバクー油田を持っている国です、国の名称は別名でアゼルバイジャン民共和国とも称しています。

 

EUむけに天然ガスとは言うけれど、パイプライン(PL)は何処にあるのだろうか

地理的にはカスピ海がジャマでPLはトルコへ(2006年に石油パイプラインが完成)

地中海経由で輸出してます。

トルコとアゼルバイジャンは2019年11月30日、「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」の開通式をトルコ西部のギリシャ国境の町イプサラで行った。

 

アゼルバイジャンのシャーデニズII油田から天然ガス南イタリアに輸送する総延長3,420キロの「南部天然ガス輸送路(SCG)」は、「南コーカサス・パイプライン(SCPX:692キロ)」、TANAP(1,850キロ)、「トランスアドリア・パイプライン(TAP:878キロ)」の3つの部分から構成される。TANAPの総工費は65億ドル、天然ガス輸送能力は年間最大160億立方メートルでうち約100億立方メートルが欧州向け、60億立方メートルはトルコ市場に割り当てられる。

 

地図で見た方が分かり易い

TAPとの接続は2020年に完成した、これでイタリアまでPLで輸送できる。

 

******カスビ海の周りの

ウズベキスン・トルクメニスタン・カザフイタンも天然ガスは豊富ですがPL接続が完成してないので販売先に苦労しているということですね。

一足早くアゼルバイジャンはPL接続が完成して、そこへロシアの天然ガス減少の恩恵を受けられる事となったが、ここにトルコ経由という大問題が付いて回る事になる。

 

アゼルバイジャンからジョージア経由のPLは山岳地帯となり見込みは薄い(距離は近い)

ウズベキスン・トルクメニスタン・カザフイタンのPLはロシア経由となり見込み薄い

この3ケ国は中国へPLを繋いだ方が政治的には良い結果となろうが資金的に無理そうだ。

中国が復活してくれば可能だろう。

 

カスピ海周辺には膨大な天然ガスが埋蔵されているのは確認済できた、この開発が進まない原因は政治的な治安という事もある(PLがアタックされるのだ)

それ故に治安の比較的良いトルコ経由のPLの建設が有利となったアゼルバイジャンが此処にきて注目を浴びる事となった。

 

しかしトルコ経由という事はトルコの地位的優位性がさらに増す結果となる。

それも1本しかPLが無い、輸送量に限りがある。

EUは更に天然ガスの調達先に苦労するということだろう。

トルコ経由のPLのバルブはトルコが握っているということなんだ、それ故にEUは今まで重要視していなかったが、背に腹は代えられない事態となっているので、調印したと言う事だろう。

 

やはり北大西洋軽油アメリカからLNGを輸送するのが安定的という結果となろう

これには、LNGタンカーの建造だけで済むというメリットと西側諸国というNATOの結束もある。

地理的に見ると

日本にいるとヨーロッパは遠い国であるが、アメリカとヨーロッパは比較的近い位置にある。

ヘンリーハブはルイジアナ州メキシコ湾のヒューストン近くにありますが、そこから全米にPLが伸びています、

EUに輸送するのに便利なコープポイント(地図参照)までPLで輸送してLNGタンカーでEUへと移送します。

EUでの天然ガス需要問題でアメリカのヘンリーハブ渡しのスポット価格急上昇の理由をUPしました。

原油には油種間に差がありますが、天然ガスは比較的に安定した組成で、精製の必要もなくそのまま燃やしてなんら問題が無いのです。

ただし、天然ガスを圧縮して液化しLNGとするには多少の精製が必要となります。

そのまま圧縮したのではタンクに穴が開きます。

 

******ロシアは天然ガスを戦力的に使った

時間経過でEUへ売却する分が減るだろう、LNGを何処へ持って行くのか。

これからロシアの戦略が世界経済に影響するのだろう、難問が降りかかる。

 

******閑話休題

アゼルバイジャンの国歌がなんとも凄い

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民共和国という名があるのだから中国と同様「独裁国家」だろう、但し宗教がイスラムであるからして、国民への強権は中国ほどではないだろう。

2016年

アゼルバイジャンは現職大統領の息子への世襲に備え、大統領選の年齢制限をなくした

資源高で国家運営は問題なく続くだろう、この先カスピ海周辺国は膨大な資源を後ろ盾に独裁政治が続くと予想される、西側諸国はブロック経済と如何に同居していくかだろう。

 

日本として見ると、日本+韓国+台湾が西側諸国の一員で、その他の周辺国は第三国という事となる。

日本はODAで培った信頼があるが、問題なのは韓国だろう。

反日を全面に打ち出すのも勝手だが、他国の目も気にしない結果は嫌韓という事態に発展してしまった、つまり日本贔屓が東南アジア・インドで生まれたという事だ。

ブロック経済となる、韓国はどのブロックに入れてもらえると考えているのだか?

グルーバル経済が終焉を迎えるのだ、よくよく考えなくては世界から孤立してしまう事になる。