ロシアへの経済制裁は

これまで成功していない、次の経済制裁をEUは打ち出したのだが。

その前にアメリカは中国とインドに対して警告をしている、警告だけでアメリカから石油製品を輸出するというアメは無い。

ムチだけ振って見せているということなんだ、当然日本へもアメリカは制裁強化を伝えている、結果としてロシア外務省が63人の日本人のロシアへの入国禁止の発表となった

 

まぁ、大したことでは無い。

日本は民間と政府とは同調させることは法律上不可能であるから、民間企業への圧力を加えるのは不可能という方針なんだ。

 

******当事者のEU諸国は

ドイツはロシア産原油の代替供給元を見つけたとニュースになっている。

jp.reuters.com

この報道では何処から代替するのかは無い、勇み足だろうとの憶測も出ているがドイツのハベック経済相は自信があるようだ。

欧州委員会は4日、EUによるロシア産原油の購入を6カ月以内に禁止し、石油製品も年内に禁輸対象とすることを提案した、可能かどうかは報道では分からない。

 

彼らはブラフをよく使うのだ、ロシア産原油の入札結果は不調で応札ゼロという報道もあるが、実際にはタンカーは動いている。

ロシア産原油を何処へ運んでいるのかは我らには分からないが衛星で追跡しているので西側は情報を持っているだろう。

 

世界の石油供給先は変わりつつある。欧米の顧客は新しい生産者を見つけ、ロシア政府はインドと中国の製油所への販売を増やしている。

アメリカはロシアへの経済制裁の効果が低いことにいら立ちを隠せないようだ。

そんな早急に事が運べば誰も苦労などしないが、彼らは我慢が出来ない国民なんだ。

其処が東洋人との差であろう。

 

******このEUとアメリカの経済制裁

ロシアにとっては戦略的剣となる、どう使うかによるが。。。

それは、今年の冬の天気次第である。

厳寒となれば、ロシア産天然ガスの価格高騰となり供給を絞っても経済的打撃は少ない。

一方のEUには大打撃となりうる、天はどちらに味方するのかそれは神のみぞ知るということだろう。

 

******ヘンリーハブの取引価格は見たことも無いチャートとなった

この価格帯でEUへLNGとして届いたらタンカー渡しでいくらになるのだろうか

価格体系はドル/MMBtuであり、日本とアメリカとヨーロッパの天然ガス価格差

のチャートは

戦争当事者ではないEU諸国にとっては大迷惑な話となる、そもそも既にEUから脱退したイギリスが事の発端の国なんだ。

このLNGの価格では、電気と暖房だけで収入のほとんどが消える。

世界のインフレは止まらないだろうし、電気が無いと産業が止まる。

ドイツは脱ロシアへと舵を切ったようなコメントを重ねているが大丈夫だろうか。

 

ロ・ウ戦闘で西側が勝利を重ねている報道は多くあるが、商品市場ではボロ負けしている。

確かにロシアの石油商品収入は減りつつあるが、EUの支出は膨大となって自国経済もロシア同様ボロボロなんだ。

この戦闘に勝者は居ないという結果となっている。

冬までに終われば良いのだが、どちらも負けず嫌いの民族であり、それがことの発端の一つに数えられる。

 

日本のメディアは世界政治と経済は全く役に立たない、それが世界のシンクタンクの収入に繋がっているのだから世界第三位の経済大国日本の本領という事に繋がる。

黙ってお金を払っていれば世界的には安泰だろう。

 

******EUはシュンゲン協定で飛躍的に経済が伸びた

それは安全保障を蔑にしていたからこそ、経済が安定していたのだ。

北海油田とロシアからの安価なエネルギー、そしてウクライナとロシアからの安価な穀物輸入に依存していたからこそ利益の大きな金融立国として世界に君臨出来ていた。

 

そのほとんどを手放すと言っているのだ「大丈夫か?」と問いたいが、頑なな民族なんで間違っても不安などオクビニ出さないだろう。

EUは経済を同一にするが政治は別だという建前になる、それがユーロの弱点で有ったがロ・ウ侵略で政治的連携は強まった。

大きな変化となろう、将来のEU構想に役立つはずだが目先の経済は疲弊していく、漁夫の利を得るのはアメリカだろう。

 

アメリカ企業はエネルギーの価格高騰でウハウハのはずだ、一方のEU企業はロシアでの利権放棄をしなけれはEU域内での事業存続も難しくなるのでBPなどは利権放棄の動きとなっている。

 

この流れは世界的な地域差と伴って、東西に大きく分断されてグローバル経済の終わりへとつながる。

幾つかの分断された区域が出来るはずだ。

大きくは「アジア新興国」「中国」「中東」「EU」「北アメリカ」「南アメリカ」「アフリカ」だが

アフリカの勢力図は難しくて分からない、このブログでは難し過ぎるのだ。

 

この流れは4月7日に国連人権理事会の投票が物語っている。

日米欧の93ケ国が賛成し

中国など24ケ国が反対し

インドなど58ケ国が危険した。

 

******棄権した国はアメリカに忖度しただけで本来は反対だと判断できる。

という事は93対82という結果だろう。

これでは世界的にロシアを罷免するなど不可能なんだ、常に書いているが政治は西側に忖度する事ではない自国民の為に行うのが政治であり、それが他の国の国民が疲弊しても忖度する必要が無いのが政治ある。

時には非情な振る舞いをしなければならない、日本でも同様に強制送還されて死刑になった政治難民は山ほどいるのだ、報道に乗らないだけで非情なことを日本人もやっているではないか。

たしかにウクライナの難民は悲劇となっている、しかしアメリカだってベトナムのジャングメを焼き払い枯れ葉剤をまき散らしたではないのか。

過去の事とは言え、ロシアへの非難はお門違いではと言っても間違ってはいない。

ロシアを正当化するつもりはないが、政治とは非情な物なんだという事が分かって頂きたい。

 

******今年の冬を温かく過ごす為には

即刻手打ちにすればよい、プーチンの求めているのは不可侵条約なんだ。

未来永劫ロシアには攻め入りません、領土を保証します。。。。

 

これだけの事が何故出来ないのか不思議な人たちだと思う。