金融緩和の決定に、慎重に検討を重ねたのだろうか?
日銀の黒田総裁は自身の責任について何も語っていないのだ、総裁会見においても静かに同じ答えを重ねるだけで心づもりは全く読めないお方である。
本当に2%を頑なに遂行しようとしているのか、諦めているのか。
読めないのだ!
******それに対局にあるのが
パウエルFRB議長です、両者の発言を同時に見られる機会がありました。
ECBが開いたオンラインの討論会です、ラガルド氏もいますが「テレ東BIZ」の動画です。
パウエルFRB議長の苦悩が分かります、日米中央銀行の金融緩和決定は思慮深く決定したのでしょうか疑問が残ります。
******何故に今頃、持ち出したか?
日米共に金融緩和の出口が見えだしたからに他なりません、日本はまだだろうという意見は多い!
日本の金融緩和の出口議論は時期が早いは、日本国内の議論で有り海外からのプレッシャー(円高)は日本国内では議論の対象にもなっていません。
******円安の真っ最中です
経済は循環するという理論からすれば、次は円高です。
何時になるかは見えてません、少し前の木内登英氏のコラムを紹介します
書き出しは「現在は、変動相場制移行以来3度目のドル高サイクルにある」です。
******黒田日銀の金融緩和は
外圧で終了せざるを得ない状態となる可能性です、日米の中央銀行がコントロールを失う(ハイパーインフレに近い状態)ことが原因だろうと推察するのですが、過去に例がないほどの金融緩和を続けて世界中にお金が有り余っている。
これからもコントロール可能だとしている日米の中央銀行ですが、過剰な資金の実態を把握している分けではないのです。
アメリカはまだしも日本は緩和資金はほぼ全量海外へ流れているのですから(緩和資金の使途は問わないので)黒田日銀は把握できていないのは事実で。
前から書き続けている日銀緩和資金の還流が起きれば、大幅な円高となります。
レパレッジ経済となってしまった現在(リーマンショック後から急速に進んだ)、日米の中央銀行が行っている数倍の資金が世界の金融資産として蠢いているのです。
レパレッジに付いては「Margin Debt」で書き続けていますから、どれほどのレパレッジがアメリカの株式市場に掛かっていて、相場を押し上げているか理解して頂いたと思います。
何故、アメリカの株式市場はこれほどまでに気楽に相場が上昇したのかは偏にFRBが後押ししたからに他なりません。
つまり、作り出された(人為的)バブルなのです。
FRBは心変わりはしない!
とコメントしたのでアメリカ市場はノー天気に相場が上昇してしまったのです、FRBのコントロールを超えて上昇したと言って過言では無い。
物事には終わりが有る、経済も相場も必ず循環するのです。
次の循環は相場の下落+レパレッジの縮小+中国経済のスタグフレーション+世界の石油需要の減少+地球の温暖化の加速+食料危機などなど数え上げたらきりがない。
既に日米の中央銀行がコントロール可能範囲を超えているのだが、誰しもが理解していても無視を決め込んでいる。
見たくも、聞きたくも無い事実でしょう。
******決定的な事実を上げれば
コロナで世界の死亡者は506万人、アメリカのインフレは6%に迫り、原油価格は暴騰して、温暖化で中国は少雨の内陸部まで多雨となり洪水が発生している、世界の食糧生産は減り、北朝鮮は新型ミサイルの開発を人民の飢餓と引き換えに成功した、コモディティ価格の上昇でドル需要が起こり後進国はドル建て負債の償還の為に経済が悪化した
これらは一部を書き連ねただけです。
******一言で言質を取られます
日米の中央銀行のTOPは言い間違えなど出来ません、今は恋人に囁くように市場に対して甘い言葉を投げかけているだけ。
苛立ちを隠さなければ、会見では記者から鋭い質問は飛んできます。
黒田総裁は耐えられるでしょう、と思います。
パウエル議長は、ひょっとしたら失言する可能性は大きい。
******何時まで安心していられるのでしょうか?
パウエル議長はこんなコメントをしています。
「市場が急落したら躊躇なくテーパリングを中止して、元に戻す」とね。
誰も、注目していないのですがパウエル議長は自信が無いのですよ!
例えもとに戻したとしても、また出口の難問にぶつかるのです。
既にアメリカFRBは経験しています「バーナンキ議長」の時です、2013年の5月と6月の「バーナンキ・ショック」は、当時のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和(QE)の縮小を示唆したことがきっかけだった。
******それだけでは無い
イエレンショックがある
2014年3月に開催されたFOMC後の記者会見において、ジャネット・イエレン議長は記者団から「債券買い入れプログラムの終了後、いつFFレートの引き上げがはじまるのか?」という質問を受けました。
これに対し、イエレン議長は「6カ月といったところでしょう」と答えた。
******まだある
パウエルショック2018年12月
2018年2月27日に行われた初めての議会証言において、2018年の利上げ回数が年3回を超す可能性について問われた際の回答として年3回の利上げシナリオを提示。「昨年に比べ、米景気見通しは強まっている」と率直に発言し、3日間で5%以上の急落を引き起こしました。
******アメリカは市場の急落を何故に恐れているのか
簡単な事です、作り上げられたバブルでレパレッジ経済の根源がこれなのですから。
リーマンショック後に中国と共に作り上げられたレパレッジ経済は中国の異変により崩壊の危機となりそうです。
アメリカを取り巻く多大な負の影響はレパレッジ経済を維持していくのに躍起になっているアメリカの姿が垣間見えるのは管理人だけではないはずです。
市場に関わっている多くの人は薄々感じているはずですが、急速に資金を引き揚げられない状態となっているのです。
株式市場の数百倍はある債券市場の資金が野放図な中国投資と化して溶けだしているのです。
未だ、アルケゴスのようなファンドが出現しないのが不思議でなりません。
どうなっているのでしょう? ジャンク債の崩壊はまだなのか?
おしまい