最新のディーゼルエンジンの車に掲載されている尿素SCRシステムは、排出ガスの浄化装置として環境保護の観点から世界的に普及しています。
尿素SCRシステムとは排出ガス中の窒素酸化物に対してマフラー内で尿素水を噴射することにより、触媒内で化学反応を起こさせて、無害な水と窒素に分解して大気に排出します。
窒素酸化物とはNoxと一般的に言われてます。
窒素(N2)は元素記号はN 酸素Oと結びついて窒素酸化物となるので、触媒で分解し窒素と酸素に分離して無害となる。
ディーゼルエンジン車のクリーン性能と燃焼効率の向上を実現する為に必要不可欠なシステムが尿素SCRシステムです
高品位尿素水は世界的にはAdBlue（アドブルー）商品名です。
AdBlue（アドブルー）の注入口の写真です
一番気になるのは、尿素水ダンクが空になるとどうなるのかということです。
走行中に尿素水が空になってもディ－ゼルエンジンは止まる事はありません。
停止後の再始動は出来なくなりますが、
高品位尿素水は幾つかの種類があります、韓国では主に中国製(安価、輸入国が近い)です。
何故韓国だけが尿素水が足りないのかは、分かりません。
******窒素酸化物には
NO、NO2、N2O、N2O3などがあります、大気中に放出されてティ－ゼルエンジンからの窒素酸化物は最終的には二酸化窒素（NO2）の状態であるとされています。
この二酸化窒素（NO2）が温暖化効果ガスの一種であるとされているのです。
温暖化効果ガスとは
大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体のことである。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが温室効果ガスに該当する。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされている
幾つか羅列されていますが、代表的なものは二酸化炭素CO2です。
気象庁が発表している人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合
ディ－ゼルエンジンの燃料である軽油の化学式は
ですから窒素のNは含まれていません、ディーゼルエンジンが爆発燃焼中に高圧、高熱により空気に含まれている窒素と酸素が結び付いて発生します。
******逸脱しますが
トヨタが目指している水素社会は、水還元システムである水素と酸素が結び付き分離するシステムです。
水素エンジンはディ－ゼルエンジンほど高圧になりません、窒素酸化物の発生量も格段に少ない。
技術的にはＥＶより高度です、燃料電池システムより水素の方が燃料として簡単なのは間違いない。
ただし燃料電池システムを開発するのが自動車会社以外にも数多あるので、開発費が格段に少なくなるという利点はある。
トヨタは果敢にも、エンジンだけでなく水素循環システムまで構築しようとしている。
世界的には「無謀」と言われてはいるのだ、しかし現在の自動車会社が作り上げたサプライチェーンを維持するには水素エンジンしか方法は無い。
ＥＵでは2025年には多くの国でガソリン車（新車）の販売が禁止される、わずかな時間しか残されていない。
この影響は中東の産油国からサプライチェーンに始まり、海運（原油輸送船）、ガソリンスタンド等、影響は過大になりますがＥＵ諸国が決定的に法律尊守のために自動車会社はＥＶに舵を切る以外には方法がありませんでした。
トヨタほどの開発費の捻出ができなかっただけでなく、技術力が劣っていたのは事実ですトヨタは水素エンジンに関しての特許は解放しました。
多くの特許が解放されて水素社会（発電用エンジン）などへの技術移転が進むと考えています。
2000年当時には見えていなかった水素社会がトヨタ自行会長の先見性でこれから見えて来るのでしょうね。
水素は無尽蔵（水）にあります、水素燃料循環システムにおいても水素＋酸素が必要なだけでレアアースなども必要ありません。
確かに理想的な燃料です、技術的克服が見えて来るとトヨタの未来は順風満帆となるでしょう。
それには水素循環システムが世界的に認められる必要があります、ＥＶの欠点を補って余りあるシステムとなれるか。
トヨタの健闘を期待します。
