アメリカ雇用統計

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雇用統計は強い、ADP雇用統計からは逸脱するほど強かった。

ADP雇用統計は非農業部門雇用者数は+33万人であった、

米雇用統計の市場予想は+87万人

実際には94.3万人

失業率U-3の市場予測は5.7%だが、5.4%に

平均時給は前月比0.4%の上昇(年間だと12倍で4.8%)前年同月比4.0%上昇(市場予測3.9%)

 6月と5月の統計も上方修正されている。

これらの数値からは

雇用創出が強く、失業率が低下、労働参加率が上昇、就業時間が増加、賃金が上昇、そして(前月分の)上方修正だ

FRBはこの結果をどう見るかコメントが欲しい所だが、週末でありまだ無い。

 

市場の意見はFRBは後手後手に回ったという意見は多い。

雇用統計の結果はU-1~6まで全て良好なんだ。

これで金融緩和など普通はあり得ない、どこか一つでも悪化しているのなら言い訳もあるだろうが全部良好なんだから。

 

7月の雇用統計に含まれた政府(中央、地方)関係の雇用者数は46万人で、9月より学校が再開される見通しにより教育関連の雇用者数は増加している、8月も同様に増加が見込まれる。

 

失業率の低下はコロナ緊急対策(300ドル/週)が切れた州もあり、これからも切れるので失業率は改善方向なはずだ(変異株の影響は除く)

これらの影響で労働参加率も若干上昇した、61.7%と、6月の61.6%から小幅上昇。人口に占める雇用者の比率も58.4%と、6月の58%から上昇した。

 

長期失業者の数は前月の400万人から340万人に減少。長期失業者が失業者全体に占める割合は約4割に上る。失業期間は6月の19.8週間から15.2週間に縮小した。

 

******また長期失業者に占める

高齢者(51歳以上)で比較的裕福な失業者は「ハッピーリタイヤ」としてカウントした方が良いだろう。

長期失業者数が340万人に減少したが、これからの減少数は限られてくると予想している。

既に郊外に逃避しているので、わざわざ都市部に戻ることは無いだろう。

 

これらの比較的裕福な長期失業者は労働スキルが高い為に、代替労働者を求めるにも賃金の上昇に寄与してしまうのだアメリカは労働コストのアップは免れないと予想する。

 

FRBが叫んでいる「インフレは一時的」と述べていると対応が後手に回る恐れは十分にある。

8月の雇用統計も強くでると「市場はざわつく」と見たが、どうだろうか。

 

******アメリカ国債の利回りの下落について

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アメリカ10年債の買い手(赤横線)の部分

配信元を明かせないのですが「GPIF」年金積立金管理運用独立行政法人だとありました。

既に買いは終了したとの予想ですから、これから利回りの上昇(債券下落)方向が確認できればアメリカはコストプッシュインフレとなるでしょう。

 

では、何処でFRBは思いきるのでしょうか市場の予想値(希望値)は早くて10月、遅くも年内というのが一番多かったです。

 

******これが現在有力なシナリオですが

デルタ株はこのシナリオに圧力を加えてます、新学期の事業再開(対面授業)に一抹の不安材料となっている。

 

アメリカの景気回復ベースが早まる為には秋の授業(対面授業)が再開されて労働者の職場復帰が増加しなくてはならないのです。

オンライン授業の長期化は保護者は在宅せざるを得ません、労働者の職場復帰が遅れるとアメリカの景気回復ベース期待は裏切られることになります。

 

アメリ疾病対策センターCDC)の予想では若年層(5歳~11歳)のワクチン接種は秋以降となる予定だと発表しています。

 

5歳以下の児童の接種は来年になりそうとの予想でした、未接種児童がいる家庭では両親のどちらかが家庭にいる必要もあり、就労プランの立たない女性が多いことが失業率の改善が進まない原因と分析されている。

 

結果、インフレは進むが景気回復は遅れるというシナリオも存在するわけでデルタ株とそれ以後の変異株の出現には注意が必要ということです。

 

******デルタ株などの変異株の扱いは

アメリカでは州単位で決定(ロックダウンを含む措置)するのですが、カルフォルニアはマスクだけで行動は自由だ!

という決定を下した、人々は歓喜の叫びをあげているが「実際問題としてどうなっていくのだろうか」という疑問はある。

引き続き、要チェックなんだ。

 

******アメリカ以外 東南アジアでは

少し前にUP(サプライチェーンは寸断と)しているがロイターでも取り上げられた

jp.reuters.com

 

******雇用統計を受けてドルが強くなりました

8月の雇用統計も強いだろうとの憶測は誰しも抱くのですから、まだドルは強くなるでしょう。

ドルインデックスは雇用統計発表で一段高へ

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世界のドル建て債券の返済は苦しくなっていくのは当たり前のことです、特に新興国はドル建て債券(自国通貨建ては不可能)を多く発行しています。

アメリカがインフレに見舞われると、新興国は返済負担が重くなり経済は低迷を始めます。

 

現時点ではFRBは何らコロントを出していませんので、来週以降どの様なコメントを出すか日本市場は月曜日休場ですので、ゆっくりと待ちたいです。