後編はベージュブックです。
直近は2021/06/02に発表されてますFOMCが開催される前に各地区連銀の経済レポートといった位置づけです。
表紙がベージュ色なのでそんな言われ方をしています。
正式名は「
アドレスは
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/BeigeBook_20210602.pdf
PDFとHTMLの様式があります。
中身は当然英語ですからグーグル翻訳が大活躍です。
ボストンから始まって、サンフランシスコまでの12の地区連銀経済レポートが載ってます。
大きすぎて全部読んでられないのですが、抜粋は各地区連銀のハイライトを見るべし
ボストンは
第 1 地区のビジネス活動は、適度なペースで拡大しました。 レストランの売上高は大幅に増加し、レストランのオープンは小売不動産のリースを押し上げた。 労働需要は強まりましたが、人手不足により雇用が抑制されました。 賃上げの程度はさまざまで、採用活動が強化された。 コスト圧力の高まりにもかかわらず、価格はほぼ安定していた
NYは
地域経済は引き続き力強いペースで成長し、成長は産業全体に広がった。 雇用は回復し、賃金は緩やかな上昇を続けており、労働者の確保が最大の懸念事項として挙げられている. 消費者支出と観光は顕著に上向きました。 投入価格への圧力はさらに強まり、より多くの企業が販売価格を引き上げています。
現在のベージュブックの期間中、ビジネス活動は緩やかなペースで成長を続けましたが、パンデミック前に達成されたレベルをまだ下回っています。 供給の制約が引き続き成長を制限しているが、労働力と部品に対する強い需要の誇張された認識に寄与している可能性もある. 雇用は賃金上昇とともに緩やかな伸びを続けたが、物価は緩やかに上昇した
地区経済は、在庫不足と価格上昇によって抑えられた、堅調な需要を見ました。 求人は増加しましたが、賃金の伸びは、労働力の確保に関する企業の幅広い懸念と十分に一致していませんでした. 製造および建設活動は、投入コストに対する強いプレッシャーにもかかわらず、成長を続けました。 農業所得は大幅に増加した。
事業活動のペースは速くなり、連絡先は、需要が短期的に強いと予想しています。 しかし、サプライ チェーンのボトルネックが成長を抑制し、材料費が高騰しました。 企業がコストの上昇に対応しようとするため、値上げはより広範囲に及ぶようになりました。 伝えられるところによると、求職者が不足しているため、採用活動は控えめだった。 特に時給労働者の賃金を押し上げた企業の割合が増加
カンサスシティは
前回の調査以降、経済活動は緩やかに上昇した。 消費者支出は緩やかに増加し、小売店、レストラン、自動車関連の取引先の大部分で、売上高はパンデミック前のレベルを上回りました。 パンデミックが始まって以来初めて増加した商業用不動産を含む、他のほとんどのセクターも同様に拡大しました。 ただし、約 3 分の 2 の企業が、材料価格の上昇と入手可能性の欠如による悪影響を報告しています。
地域経済はここ数週間で緩やかに拡大した。 製造業者とサービス プロバイダーは、活動の増加を報告しましたが、人件費と投入コストの増加、および材料の不足にも直面しました。 雇用は適度に増加しましたが、空きポジションを埋めるための課題によって制約を受けました。 増加したビジネスコストの一部が顧客に転嫁されたため、ここ数週間で価格が大幅に上昇しました
ダラスは
地区経済は、住宅、製造、非金融サービスの継続的な力強い成長に支えられて、堅調なペースで拡大しました。 掘削活動はさらに上昇した。 価格圧力が強まった。 人手不足の報告は、前回の報告よりもセクターやスキルレベル全体で広まりました。 見通しは引き続きポジティブ
経済活動は緩やかなペースで拡大した。 労働市場は改善し、一部のポジションでは賃金圧力が強まりました。 一部の非労務費は引き続き上昇した。 小売売上高は増加した。 レジャー、ホスピタリティ、観光活動が強化されました。 住宅用不動産の需要は引き続き堅調でした。 商業用不動産の状況は複雑でした。 製造活動が改善しました。 銀行業の状況は安定していました。
サンフランシスコは
地区の経済活動は大幅に拡大し、労働市場の状況は引き続き緩やかに改善しました。 賃金とインフレはさらに上昇した。 小売売上高は増加し、サービス部門の活動は緩やかに強まった。 製造業と農業部門の状況は改善し続けた。 住宅建設は引き続き堅調でしたが、貸付活動は幾分伸びました
シカゴは
経済活動は緩やかに増加した。 雇用、個人消費、企業支出、製造業生産はすべて緩やかに増加したが、建設と不動産は横ばいだった。 賃金と物価は緩やかに上昇し、金融環境はわずかに改善しました。 2021 年の農業所得の見通しは改善した
連絡先の報告によると、経済状況は前回のレポートから適度に改善されています。 多くの連絡先が、自社の製品やサービスに対する需要の伸びが生産能力の伸びを上回っているという状況を説明しました。
******これらから
物価、賃金の上昇と経済活動は戻りつつあること需要の伸びが生産を上回っていることが書かれています。
ベージュブックから予想されるアメリカの経済活動はコロナ前に戻る途中であることは間違いないのですが、生産活動は需要より遅れている為にコスト上昇圧力に晒されているのが確認できます。
特に、雇用状況が悪く
人々は手厚い民主党のレスキュー法案で守られており、早急に仕事復帰する必要はありません。
この民主党のレスキュー法案に反対の共和党知事の州では失業給付金上乗せ打ち切りを発表してます。
これにより、失業率の改善が予測されるのですが、実際に就業に結び付くには時間が必要でしょう。
米の失業率ですがU-3が表に出てますがU-1からU-6まであります
NOTE労働力にほとんど結びついていない人は、現在働いておらず、仕事を探していないが、仕事を望んでいてその可能性があることを示しており、過去 12 か月以内に仕事を探している人です。 求職意欲喪失者は、限界に近い人々のサブセットであり、現在仕事を探していないという雇用市場関連の理由を示しています。 経済的理由でパートタイムで雇用されている人は、フルタイムの仕事を希望し、利用できるが、パートタイムのスケジュールを解決しなければならなかった人です。 更新された人口管理は、1 月のデータのリリースとともに毎年導入されます。
U-1:失業期間3か月以上の失業者数
U-2:非自発的離職者(倒産、人員整理、雇用契約の満了等)
U-3:公表ベースの失業率
U-4:失業者に、求職意欲改質者を加えた率
U-5:(縁辺労働者を含む指標)文民労働力人口及び縁辺労働者に占める,失業者,求職意欲喪失者及びその他の縁辺労働者の割合
U-6:(縁辺労働者・経済的な理由による短時間就業者を含む指標)文民労働力人口及び縁辺労働者に占める,失業者,縁辺労働者及び経済的な理由による短時間就業者の割合
「縁辺労働力」とは、経済情勢の変動に影響されて労働市場への参入と退出を繰り返し、労働力になったり非労働力になったりする就業形態が不安定な層のことです。 具体的には、パートタイマー・派遣労働者・臨時工などを指します
市場が気にしてるのがU-6失業率です、U-6の説明が日本の労働省の説明ですが日本語になってない、「フルタイムの就業を望む人が望む仕事が無くてやむなくパートなどで凌いでいる人」
この失業率が改善されると経済は活況ということになります、労働コスト(コスト増)の問題もあるのですが経済回復期には下げる傾向はある。
******ベージュブックと失業率が発表となり来週以降のアメリカの相場は
偏に米国債の利回りの変化に注目です、金曜日の失業率の発表後の利回りは
この様になってますが、週末の間に更に分析が進み米市場が開くまで先行きは分かりません、気の早い向きは日本市場で変化しますが、あせってはいけません。
NASDAQなどは利回り低下で買われるのですが、月曜日の米市場オープンまでどのように捉えられているかはわからないですね。
地区連銀はインフレのコストUPを只管心配しているようですが、米国債の反応は利回り低下となっています。
それに引き換え、「金」は1.11%の上昇ですので動きとしてはチグハグで説明が付きません。
仮にドル安だからという説明もドルインデックスの下落は0.41%でしかないのです。
少しの間様子見でしょうねぇ。