通常時のPERは
EPS=1株当たりの利益(1年間で稼いだ利益を発行済み株数で割った値)
これに(EPS)に何年分かの年数を掛けて銘柄の株価となります。
過去の日本では10倍(10年分の利益)で取引されるのがアノマリーでした。
その昔、管理人が働いていた会社(管理人も弱小株主)が身売りをしたときに、10年分の株価で持ち株を買っていただきました、非上場会社でした。
時代が進み、現在では20倍というのがアノマリーになりつつあります(金余り)
現在も日本では上記の式が通常の株価の目安となっています。
この式の説明をネットで探すより、チャートで示した方が楽です
チャート右端にある22.2倍というのが2021年のS&P500のPERです、S&P500の長期平均PERは16倍ほどですから22.2/16=1.387倍ほど高くなっています。
これが米株に起きている(金利低下時)事なのです。
******これをひっくり返すとどうなるか?
金利上昇すると「元の木阿弥」となります。
米株をウォッチャーしている投資家、アナリスト、市場関係者全てが米長期金利だけを気にしていると言って過言ではありません。
では、米30年債はどうかというと。
30年後のアメリカがどうなっているかなどまったくわかりませんから、この金利を気にしているのは超長期金利を対象としている方々です、住宅購入者などに貸し付けをしている方々です
通常、企業などが資金を借りる期間は2年~10年です。
それ故に米10年債の利回りが取りざたされているのです、FRBは短期金利を上下して米経済を調整しています(長期金利は市場にゆだねる)のでFRBが金利を支配できるのは最長5年までですね、それも絶対支配ではありません。
FRBの市場調整能力を見るには5年国債の利回りの動向を見て予測します。
現段階で5年債利の金利が上昇していけばFRBの市場支配が薄れてきた、次は長期金利が上昇するぞ!
と、予想するわけですね。
******チャートに戻って
2000年のドッコムバブルを見るとPERの最大値は25倍当たりまで上昇していいます。
この値を目標としてS&P500を買い上がっていると読めます。
まだ、上があると言えばありそうですし、そろそろピークだと判断するのも間違いではないでしょう。
管理人が米株に対してコメントしているコラムなどの著名人は米株の現在のレベルに対して根拠を示しているとは思ってませんが、根拠はこんなところにあったのです。
もう少しチャートを深読みすると、
今回のPER急騰は既に無理を承知で買い上がったように見えます、此処から更に無理無理に買い上がっても売り崩されるでしょう。
PER25倍以上を目指すなら、若干の調整を入れると成功率が高くなるように見えませんか。
2000年のドットコムバブルも調整数回で達成してますしね。
おしまい