先物取引について

まずは歴史です

起源は「江戸時代に行われた(こめ相場)の先物取引だった」

 

江戸時代初期の1620年代に、大坂の堂島(大阪市北区)に淀屋米市場という米の取引所ができました。

 

当時の日本経済の基盤は「米」でした、「年貢を納める」は、お金よりも米の流通によって経済が回っていた時代だったのです。米の収穫量は東より西に偏っていた、気温が温かいこともあって、生産量や流通量は近隣を合わせて国内随一

当時は500万石の米が市場に出回っていました、そのうちの約4割(約200万石)が大坂だけで取引されていたのです。

 

米の取引に現物の米俵では大変です、それで「米手形」が出来ました。

約束手形ですね、期日に源平さんの米を100俵、支払いは〇両。

そして、期日が来て用意した米とお金を交換した。

こんな感じかな。。。

 

しかし、米の値段が出来の良し悪しで変動するので

支払った〇両は高値の価格のことも、安値の価格のこともあります。

 

そこで考えられたのが「つめかえし取引」です。

「米手形を今日の仕入相場で売ったのと同時に、その米手形を米手形の取引日の相場で買い戻します。」という契約を結びます。

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契約内容は天候不良で米の出来が悪く収穫量も悪い相場は高騰してしまった、、とか

沢山収穫されて、米あまりで暴落してしまったとかね。

つまり「取引日の相場で買い戻します」という取引です

 

例)

10月1日に

現米相場は1000円  期日に(1ケ月後)900円で買える約束手形を買う(買ったので後日に支払う1ケ月後に現金と手形と交換)

期日には900円の米が届く、生産者(もしくは年貢)は手形が現金化。

至急にお金が必要なら手形を割ればよい(期日前の現金化、何割りか割り引いて現金になる)

窮乏している藩主は翌年の年貢米を先物で売って(かなり安い)

現金化してたようだ。

 

この時点で100円の利益ですが、

1ケ月後の取引日には 米日相場が800円になっていたので△100円(損失)になった(800円の米を900円で買ったようなもの)

 

10月1日の同日に「つめかえし取引」をしていた。

米を今の相場の1000円で売ります、1ケ月後はその時の相場で買い戻します。

との契約をした。

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んで、1ケ月後は1000円で売る契約とその時の相場の800円で買い戻す契約で(1000円-800円)で200円の利益

   現物の取引           つめかえし取引

契約買い    900円       契約売価    1000円

期日価格    800円       買戻し価格  △800円

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差し引き        △100円          差し引き     200円  

総計 100円の利益

 

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実際の取引日には米価格1200円になっていた時は

つめかえし取引は、1ケ月後は1000円で売る契約とその時の相場の1200円で買い戻す契約で(1000円-1200円)で200円の損失

 

   現物の取引           つめかえし取引

契約買い    900円       契約倍価    1000円

取引日価格    1200円      買戻し価格   △1200円

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差し引き            300円          差し引き    △ 200円  

総計100円の利益

 

つめかえし取引をしておくと、大きな損失を被らなくてもよくなります、つめかえし取引はお金だけ動いて現物は関係ありません。

 

****************先のリスクに備える

リスクヘッジの考え方がこの時代に既にあったわけです。

 

先物取引の考え方は現物があって、現物から派生した取引ですので、先物取引などを

金融派生商品」、英語でデリバティブと言ってます。

 

デリバティブ先物取引の他に、オプション取引があります。

オプションの説明は大分後だね。

 

先物取引を書いたのは、原油を現物で取引できないので

1671 WTI原油先物ETF(上場投資信託)となって上場しているのです。

それを投資家が買っているわけです、

ETF=Exchage  Traded   Funds

1671 WTI原油価格連動型上場投資信託(正式名称)は

NYMEXにおけるWTI原油先物の直近限月清算値を円換算で表示したもの」

 

NYMEXニューヨーク・マーカンタイル取引所です、この間は

シカゴを紹介しました。

 

簡単なほうからの説明

円換算してますから、ドル円の動きも影響します。

円高になると1671の価格は安くなります。

 

原油先物直近限月とは、(北辰物産の商品先物で説明)

この表では2020/04で示されている価格の事です

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限月 (げんげつ) 限月とは、先物取引やオプション取引において、先物の期限が満了するのこと。 例えば、3に期限が満了する取引であれば3限月であり、「3月限(ギリ)」という言い方をします。 現在、日本の債券・株式先物取引の限月は3、6、9、12

 

--------限月を迎えて

先物取引の反対売買をすると、先物建玉は無くなります。

ETF清算しないで、翌月に乗り換えます(例えば3月ギリを売り、6月ギリを買う)

これをロールオーバーと言います。

 

**********先物取引

現物を生産している企業が生産前に運転資金が必要なために

現在価格より安く売りまだ生産してないが資金を手当てできる

必要な制度です。

しかし、先物取引が細いと価格形成に歪みが生じるために、広くこの制度を利用してもらい価格が安定して推移するためには

一般の投資家が必要なのです。

 

しかし、先物取引には限月がありますし現物取引のように買い持ちするわけにもいかないため、ETFとして先物を上場してETF運用会社にも利益が回り、一般の投資家も面倒な限月や差額取引をしないですむようにしてあります。

 

ロールオーバーの手数料や限月による乗り換え金額の差はETFから差し引きされますが、年間で価格の12%くらいです。

 

ですから、価格が安くないと利益は生まれません。

一般の投資家は価格が安い時にしか取引しないことです。

 

数年持つのは不利です、数か月がよろしいでしょう。

逆に考えると、それ位しか原油生産者の資金繰りがつかないくらいの安値の時が望ましいです。

今回のように、生産原価ほどに下落したときだね。

原油価格は中東の国家経済に大きく作用します、原油で国家経済を回していると。例えばサウジアラビア原油価格の損益分岐点は80ドル/バレルが希望価格でしょう。

サウジの自噴井戸の生産価格は2-3ドル/バレルです。

残りの77ドは国家を運営するのに必要な価格なのですね。

サウジは損益分岐点を下げようと必死に経済活動をしています

どれくらい下げても国家運営に支障をきたさないかですが、半分あれば当面はしのげるはずです。

ということで40ドル/バレル位までは戻る見通しがありますが

チャート的には窓が開いている下値の36ドルは確実だろうと見ています。

その価格に到達する時間によって利益が変わります。

 

世界の資源国は先物を売っていたはずですから、9月ギリの先物当たりが、こらえられるギリギリの時間なのだと推察しています。

今年の2月に先物が崩れる前に、売っていた6月、9月、12月ギリの価格の50ドルが無くなる前に原油価格が戻ってくる必要があります。

特に厳しいのはアメリカの経済制裁を受けているイラン産原油は世界の先物市場では取引されていません。

もう既に資金的には限界を越していると思います、あまりに困窮するとホルムズ海峡封鎖などリスクが高くなります。

世界経済が変調をしている時に政治的リスクを重ねるのは問題ありすぎです。

人の話を聞かないで有名なプーチンを誰が説得するかで、原油減産が決まるのですね。

あんなこんなを知っているとニュースが面白いです。

 

 

********************ちょっとした知識(知らなくてもいいよ)

先物の難しい取引形態は、

先物価格の動向(コンタンゴ)で空売り取引をして短時間に鞘を取る方法が使われます。

ayataka.kyoto.jp取引として。こんな方法があるくらいの知識で十分です。

 

*************************マタンゴ

小笠原で撮影された水野久美主演の映画です、コンタンゴを覚えるのにいいかも

嵐で流されたヨットが南海の孤島に漂流してキノコを食べたら

マタンゴになったという単純なストーリーです。

youtu.beあの頃の美人